こんな本、読んだら《1》 (ようこらむ)

除年私が読んだ本の中で印象深いものをご紹介しますね。

本を読んだことがない32歳が初めて本を読む」  大和書房  

  未来進(みくのしん)さんが友達と一緒に初めて「読書」を楽しむ、という本です。

彼は黙読だと文章が頭に入らない、と「声に出して」読みます。1行や数行ごとに感想を述べていくのです。音読って大切なのですね。

 読んでいくのは「走れメロス」「一房のぶどう」「杜子春」そして新作です。皆様、ご存じの名作です。でも、みくのしんさんはこれが初めてなのです。「走れメロス」ではドキドキし、「一房の葡萄」では先生の言葉に感動し、「杜子春」は「これを読まないで死なないでよかった!」と号泣します。こんなのも読んでなかったの?いえいえ、これこそが「読書」です。文章から受ける感動を素直に表現する彼に、私も感動しました。そして、羨ましくなりました。私はもう、読んでいます。メロスが間に合うことも、先生と語らうことも、杜子春が「お母さん!」と言ってしまうのも・・・。ですから、ここで展開されている新鮮な感動はもう、感じることはないのです。

 そして、声に出して読んでいくことで、彼は物語の中の人物と同化し、彼らの気持ちを追体験しているのです。感動が深いのはそのためでしょう。大人になること、名作を読んでしまっていること。でも、その作品に出会わなければ、私の人生はつまらなくなっていたでしょうから、読んだことに後悔はしません。でも、この新鮮な感動の前に、羨ましさにうずうずしているのも事実です。

 そう。「本」を読みましょう。それはあなたを新しい世界に連れて行ってくれます。何歳になっても、遅すぎることなんてないのです。

本の中で紹介されている本を読んでみたい、あるいは読み直したい方は、次のサイトで朗読をしたもの。大きな活字での本をお聴き、ご覧頂けます。

走れメロス (太宰治)

一房の葡萄 (有島武郎)

杜子春 芥川龍之介

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