ヨハネ受難曲演奏会

バッハのヨハネ受難曲。受難のお話のところを日本語の聖書に基づいたお話でつづり、アリアとコラールをバッハの音楽で公演いたします。日本語のお話の部分の台本は、築地教会の信者である、田中洋子さんが書いてくださいました。

日時:2023年4月2日(日) 15時開演
場所:カトリック築地教会(詳しい場所は場所はこちら)
配信は:https://youtube.com/live/aIw8z2uNwls

入場料は無料です。 当日、ミニバザーを行いますので、ぜひ一品何かお買い求めください。
また、ネットでのサポートのサイトもございます。《https://www.voce.shop

イエス(語り)……… 佐治雅彦
うた(ソロ・合唱)…津田あゆ子・宮崎正子・福田香津代・田中洋子・渡辺崇文・大西しょうじ 津田直美
うた(合唱)…………川又理香・津田ゆかり・津田みゆき・平岡美恵・三宅明里・安井晋子・水谷淳人・原昭宏

フルート ……………菊池直人・木村華子・藤井なつこ
オーボエ ……………内藤まゆこ
チェロ ………………森田ゆり子
オルガン ……………堀仁美・津田哲子

受難曲について

受難曲とは、イエス・キリストの受難物語を聖書の言葉をそのまま読むように歌う「エヴァンゲリスト」の歌の間に、 合唱やコラール(会衆がいつも歌う有名な讃美歌)、アリア(ソロが歌う感情を表す歌)を挟んで構成されている曲です。 昔からキリスト教会では「受難と復活」(キリストが人々を救うために、彼らの罪を負い苦しみを受けて本当に死に、 神によって復活させられた物語)が一番重視され、毎年特別な典礼が捧げられています。 まず「灰の水曜日」というイースター(日曜日)の 40 日前の水曜日から「四旬節」(レント)が始まります。イエス の苦しみにあやかり、節制と善行が薦められます。その前に“遊ぼうぜ!”というのが「カーニバル」であり、灰の水 曜日前日の火曜日は「マルディ・グラ」(満腹の火曜日)といって、たらふく肉を食べる日でした。今は四旬節です。 四旬節最後の日曜日から「受難節」です。この日曜日はイエスの最後のエルサレム入城を記念します。オリーブやシュ ロの枝を手に持って、入堂行列が行われます。この日、「受難物語」が読まれます。これが「ヨハネ福音書」です。毎 年変わりません。 木曜日が「聖木曜日」。これは最後の晩餐の記念。「聖金曜日」が受難の記念。この日はミサは行われません。教会は 深い悲しみに沈みます。そして土曜日の夜が「復活徹夜祭」。この日にも受難朗読が行われます。これはマタイ・マルコ・ ルカ福音書が三年周期で読まれます。いよいよ、イエスの復活を祝います。日曜日が「イースター」です。

先述のとおり、キリスト教徒は人間の罪を神の一人子(これ、三位一体というめんどくさい話なんですが、それはい ずれまた)が一身に背負って、十字架という苦しい死を迎え、「正義のための『生贄』となったのだ。私たちはそのた めに罪を許され、救われるのだ」ということを信じています。ですから、受難の物語を読むことや歌うことは、深い意 味と感情の動きを伴います。 受難物語の間に「十字架につけろ!」と叫ぶのは、私たち自身であり、イエスを十字架に追い遣ったのは他ならない

「私たち自身」なのだ、と考えます。「友のために命を与えるより大きい愛はない」とイエス自身も言っていますが、イ エスはそれを実現して、わたしたちを「自由」にしてくれたのだ、と私たちは信じています。イエスを裏切り、「知ら ない!」と言い張ったペトロも私たち自身です。そんなわたしたちを愛し抜いて、イエスは苦しみを受ける道を選びま した。だからこそ、私たちはお互いを尊重し合い、思いやりあっていかなければならないのだ、ということになります。 受難朗読はそんな私たち自身の根源的な悪を自覚させ、その悪を凌駕する愛に面と向かい合うことを意味します。キリ スト者は毎年、その体験を通して、受難と復活を「今」、体験しているのです。 イエスの苦しみを「今」眼前にして、泣き、悲しむ女たち、うなだれる男たち、逃げる人々。 時間を超越した神秘的な体験を、私たちは受難曲を歌うことによって実体験するように招かれています。少なくとも、 作曲者たちはそのような思いでこの長い曲を作っていったのだと思います。(田中洋子)

  どうぞ、皆さんもクリスチャンの方もそうでない方も、この神秘に参与なさってください。
  そこに、神様のプレゼントがあると、そう、信じています。

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